2018年02月26日

一擲

「もう!うるさいッ!!
私の事は、放っておいてよ!」

若い頃
コントロールフリーク気味の父とは、
なかなか関係をうまく結ぶことができなかった。

その父を、7年に渡る自宅介護で見送って
そして、随分な時が流れた。

その昔、
道元禅師は「放てば手に満てり」と仰ったそうだ。
手にもっているものを、一度手放してみると新しいものが入ってくる。
そうやって人は大切なものを知る・・と。

写真が趣味だった父。
撮った写真を見る。
沢山のアルバム。
律儀な父の四角い字。
写っているのは母と幼い私。

カメラの向こうの、その視線の暖かさに
眼差しの温かさに
初めて、気づく。

・・・・
・・・・


私は、愛されていた。
愛されていたんだ。

こんなにも。
こんなにも。

父さん
父さん。

お父さん・・・。

小さく声に出して呼んでみる。
・・・・
・・・・
この場所に
行こう。
その場所は、晴れているだろうか

きっと、晴れている気がする。

そうだ。
出かけよう。
出かけるんだ。

父の大きな風に乘る。
その眼差しに乘って。






                 
posted by tonnchikikazoo at 17:06| Comment(0) | ぶつぶつ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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