2017年06月18日

父の日に



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母はいつも

「その年齢にならなければ
その年の人の気持ちは
わからないわ」

と言う。

町内の集まりがあった時
その頃まだ
60代前半だった近所の奥さん方が

「75まで生きれば十分よね」

「そうよね。
それ以上生きて
周りの人間に世話をかけるより
私も、75くらいでいいわあ」

と、年齢の話で盛り上がっていたそうな。

その時
じきに75という年齢だった母は
その盛り上がりの話を
黙って聞きながら
座っていたって。

その奥さん方が
今、
70歳を過ぎて

「元気が一番よね」

「そう元気で長生きしなくちゃ」

サプリだのアンチエイジングだので
盛り上がっている。

介護の話だってそうだ。

「大変だもんね〜〜〜」

「でもさ
今はいろいろあるんだからさ
そういうの利用しなくちゃ
「損」よ〜〜〜」

わたくしは
少なくとも
この手の人達に
あの日々のことを
話す気にはならない。


父が、肺癌で余命1年と宣告された時
母とわたくしは、
父にそのことを告げるのは止めようと決めた。

ドクターにその旨を伝えると
ドクターも
「それがいいでしょうね。
判りました。」と了承してくださった。

ただでさえ・・の日々の中で
父が薬を飲むこと
食事をすること
入浴すること

生きることの
生活することの、モチベーションを失って欲しくなかった。

でも。

父は、判っていたのではないかと
想う時が、ある。

「・・・お父さんの病名は、なんていったかな?」

「・・・特発性血小板減少性紫斑病」

「そうか、そうだったな。
何度聞いても、忘れてしまう。・・・メモしとこうかな。」

「・・・そう?
ほら、ボールペン。」

「ああ、・・・癌じゃないのか。ないんだよな。」

「・・・難病だけどね、そういうのとは別だよ。」

「そうかー・・・。」

「そうよ、だから頑張って薬飲んで
元気でいなくちゃ。」

「・・・あっちゃんが結婚するまで頑張って生きていられるかなあ。」

「大丈夫さ!
・・・だけど、あっちゃん、理想が高かったら
結婚式は、ちょっと遅くなるかもだね〜〜〜」

「そうだな〜。・・・頑張らんといかんなあ」

「そうだよ、頑張らないと。」

そんな話をしながら
ふと父の顔を見ると

・・・遠い
遠い目をしていた。
それはぽっかりと、暗い、
今までに見たことのない目だった。


お父さん。嘘ついてごめんね。


父の日
仏壇の前で
謝るわたくし。

お父さん、あんな目をさせて
ごめん。

自分だったら・・・そんな事を思って
ふと
結局は、あの奥さん達と自分は
変わらないのかもしれないと
そんな事を、何度も、何度も。

嘘をつかなくてもよい父の日々の間に
気付いていれば良かったのだろうけれど
そんなこと、考えもしなかった。

「その時にならなければ
判らない」

わたくしは、なんて・・・。

・・・お父さん、あっちゃんは、彼氏ができたって。
今日はとても、良いお天気で
庭の紫陽花も咲いたよ。


咲いたよ。



今日は、父の日。
お父さんの、日だよ。



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2017年05月24日

花の意味

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花が
こんな風に咲くなんて
知らなかった。


風に揺れる花は、とても綺麗。


本当に、綺麗だ。


母が植えた庭の花は
いつもそこに咲いている

当たり前の顔をして
咲いている


そんな気がしていたのに。


わたくしは、花が咲くまで
その姿を知ることは、なかった。


その意味を知ることが、なかった。






喉の奥の水分が
急に全部なくなってしまった気がした。


ドクターの声は
はっきり、明確だったのに
言っている意味が、わからなかった。




「・・・・はっきり申しあげて
とても危険な状態です。


お父さんは、肺に問題がありますから
自発呼吸が難しくなるかもしれません。


その際、気管切開という手段がありますが
それをやると
話すことは一切できなくなります。


余命は・・・少し伸ばすことができますが。


・・・・ご家族のご意見としては
いかがですか?


どうされますか??」




母の低い嗚咽が部屋に響いて
ドクターは
返事を待っている。


「お母さん」


横に座った母は
急に小さく
肩が震えていて
答えを出せない。


自分のことなら
苦しくても
哀しくても
つらくても。



しっかりしなければならない
しっかりしなければ、ならない


わたくしが
しっかり、しなければ、ならない。


そう思うのだけれど
喉の奥に
何か熱いものを
ぎゅうっと押し込まれているようで


声が、出せない。


いや、
出したく、なかった。





父は癇癪もちで短気な人だった。

その機嫌は
猫の目のように
くるくる変わって

半分喧嘩のような時間が流れることも
珍しくはなかった。


だけれど
救急搬送されるたび
わたくしは、
どうぞドクターに、看護婦さんに
父が大事に扱われますように、と思うのだった。
願うのだった。


父が上手に伝えられないこと

家では
「もう〜〜〜」の一言で
叶えられている様々な事。

小さな、事。


きちんと父が
伝えられますように。


父は、癇癪を起さず
きちんと伝えられるだろうか。


そう思い
願い
毎日病院への道を歩いて

看護婦さんに、頭を下げる日々。



父は、父なのに
いつの間にか
子供のようだった。






「・・・どう、なさいますか?」


母は

いつもは気丈な母は、
答えなかった。


答えられなかった。






「・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・見送る時は
・・・・・・
・・・・・・自然な形でと、
・・・・・・

・・・思っています。」




「・・・そうですか。」

お母さんは?というように
ドクターの視線が、母の方にむく。


「・・・・お母さん、・・・いいね?」


母は、小さく頷いた。



しっかりしなければならない
しっかりしなければ、ならない


わたくしが
しっかり、しなければ、ならない。





そうして
父は
わたくし達が
そんな会話を交わしていたことも知らず

奇跡的に
生還した。


「・・・良かったですね。」

ドクターは、言う。



けれど
その何か月か後

わたくしは
結局

最後の決断をすることに、なる。






難しい状況になった時
家族が困らぬように
自分の決意を
文書にしたためておくことが大切だとTVのキャスターが
訳知り顔で話している。


本人の決意があっても

その決意を知っていても

・・・と、わたくしは、思う。


自分のことなら
苦しくても
哀しくても
つらくても。


思い返すたびに。






花は、とても綺麗。


本当に、綺麗だ。


わたくしは、花が咲くまで
本当の
その姿を知ることは、なかった。


その意味を知ることが、なかった。




ああ、

本当に

綺麗だ。
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2017年05月14日

母の日のラブレター

マザコンである。


わたくしはポンコツだけれど
わたくしの母は、自慢の母だ。


ボーイフレンドの一人が、我が家にやって来た時
きっと、ナンシー関か京塚昌子みたいな人が出てくるとイメージしていたのに・・・って
(知らないお嬢さんは、お母さんに聞きませう。)

絶句していたのが、おかしかった。


細くてふわんって印象の

母は、わたくしとは、似ても似つかぬ
穏やかで、優しい人だ。


今朝も母が庭に出てみると、
庭木に雀がとまっていて。


赤い実をつついては、ちっちっちっちって哀しそうになくんだそうな。


大分弱っている様子で、脅かすつもりはないけれど、
近づくとちっちっちっちってなくので、
おなかがすいているんだろうと思いはするものの、
どうしてあげることもできず。


ああ、もうダメなのかも・・・と、
そっとハラハラしながら見守っていたら、


「どうやら母雀らしきのが飛んできて、
導くように一緒に飛んで行ったのよ〜。
良かったわ〜。」って。


「きっと体は大きいけれど、
あれは小雀だったのね〜〜」って。


・・・良かった。良かったねえ〜〜。


そういえば野生の雀の寿命は1年。
長くて2,3年って聞いてから
(とりぱん http://amzn.to/2rdVl0a  で知った。)
雀を見る目が変わったわたくし。


まあ、とにかく良かったよ〜〜。



そんな母が
真剣に怒ったことが、ある。


わたくしが
椎間板ヘルニア3か所同時発症で
手術をしたって事は以前書いた。



で、その手術前にも
入院していたことがあって、
その時は4キロの重りを下げて
天井見上げたまま、って治療をしていたのだけれど


その時
造影剤検査ってのをやったのね。


より詳しく状況を画像で判断したいって訳で・・・


それは良かったのだけれど
この造影剤が
わたくしに合わなかったのだった。


見事に合わなかった。


で、どうなったかというと

痙攣。


看護婦さん2人がかりで
押さえつけられても
撥ね飛ばす全身痙攣。


う〜〜ん
イメージとしては、エクソシスト??


たまたま
前日足の手術をした男の子が
同室で


(整形外科病棟は混んでいたので
小さい子は女性の部屋にも入り込んでいたのさ。)


わたくしがベッドごとバタンバタンやるものだから
傷に響くって怒るんだけれど
わたくし、どうにもこうにも
自分では、コントロール不能。


で、ドクターがやってきて
造影剤を薄める注射をする訳なんだけれども
これが結構きつい注射らしくて。


最初
「これを打って30分もすれば、落ち着きますから」
ってことだったのだけれど
・・・・
・・・・
効かない。


わたくしは
ずーーーっと
ばったんばったん痙攣しっぱなし。


当然体力的にも
きつい状態で


2回目、ドクターが来て

「・・・大丈夫です。
2本目打てば・・・」


1時間後


効かない。

・・・・
・・・・

すると
ドクターが
病院長と一緒にやってきて
言った。


「この注射はきつい注射なので
3本目を打つと
万が一ってことが
ひょっとすると、あるかもしれない。


御母さん、同意書に署名してくださいますか?」


その時
母が


「・・・署名します。

だけど、この子が助からなかったら
赦しませんッ!」


わたくし
痙攣しながら

初めて聞いた
母の強い言葉に驚いていた

・・・

・・・

まあ3本目の注射のおかげで
わたくし、今、のんきに
こうやって生きている訳だけれども。


それにしても
驚いたよ。

あの怒った強い調子。










大事な母。


とても大事な母である。


わたくしは
マザコン。


ええ。

間違いなくね。


わたくしの母は
細くてふわんって印象の
穏やかで、優しい人だ。


笑う時は
花が開くように、笑うよ。
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2017年05月06日

お豆腐はお利口さん

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皇太后と弟嫁の御母さんは
5月が誕生月

じゃあ!ってことで
皇太后主催で
豆腐料理を食べに行く。

お豆腐は胃にもたれない。

味が優しい。

アレンジがきく。

お利口さんな食べ物だねえ〜。

よくぞ
日本に生まれけり!!!

大満足で幸せな
おめでとうの1日。

わたくし主催でないことは
ご容赦、ご容赦。



タグ:豆腐 皇太后
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2017年05月04日

言葉で前を向いたころ

CIMG0654.JPG



父が弱って来た時
いろんな選択肢があったと思うけれど
母には迷いがなかった。


父はずっと
家で逝きたいと言っていて
その要望は、
母の中にしっかり根づいていたので
自宅での介護生活へと、流れは自然だった。


ある日
母の口調がきつくなって
八つ当たりとしか思えない当たり方をされた時

「あ、母は疲れているのだ」

って、初めてわたくしは気が付いた。


それまで、介護生活とはいっても
同じ家に暮らしていても

わたくしの中で
「父の事は母がするもの」という
ぼんやりした思い込みがあって、
「お客さん」だった自分を、恥じることさえなかった。


それからやっと
わたくしは
「当事者」になった。


ふと
それは
育児に立ち向かう人と似た心境なのかもしれないと、思う。


「当事者」


産まれた子供の
例え父親でも
例え母親でも

「当事者」として
腹を括らぬ限り
見えてこないものが、沢山あるんじゃないだろうか。


介護生活も、また。


7年の介護生活の間には、本当に
いろんな事が、あった。


そうして思うことがある。


人は、産まれることも一大事だが
死ぬことは、更にまた
一大事だ。


今、わたくし達の日々の生活の中で
「死」はいつの間にか
忌み嫌われ
隠され

だから
身近で「死の匂い」が立ち上がると
おたおたする。

平然としては、いられない。


介護の「当事者」として
死にゆく人に
何ができるのか。


「大変なのよ」


そうだね。
決して、簡単な事じゃない。


自分のことならば
判断できることも
介護生活の中、当人の代わりに判断することは


きつい。


けれど
それでも
「介護は大変」だけじゃないって
わたくしは、思う。


強く、思う。


沢山の涙
沢山のため息


だけれど
「大変」だけじゃない。


それだけじゃ、ないんだ。


涙もため息も
それら全てを飲み込んで

その死までの時間の中で
人は次の人達に
最後の「教え」を与えてくれるのだ。

最後の「光」を
最後の「闇」を
最後の「真実」を
最後の「和合」を。


「お客さん」だった時には
判らなかったこと。


けれど
そう、
綺麗ごとだけじゃないことは
知っている。





父が何度目かの入院をしていた時
受付で面会客は
名前と時間を書かなければいけないのだけれど

いつも
いつも
わたくしの名前の後には
わたくしの名前しか、なかった。


「入院させているから、大丈夫。」


みんな
きっと、そう思っているのだろう。


誰も訪れない病室が
並んでいる。


父の退院の日
隣のベッドのお爺ちゃんに


「お世話になりました。

どうか早く良くなられて
父の次に〇〇さんが退院の日を迎えられますように
お祈りしています。
・・・ありがとうございました。」


そう御挨拶したら
くしゃっと
お爺ちゃんの顔が歪んで

・・・・
・・・・

号泣された。


声を出して
細く長く
泣く


あの涙を
わたくしは
忘れない。


寂しいと言えずに
寂しいを抱え込んで
黙っている人がいる。


人達が、いる。


それは明日の
わたくしかもしれない。


貴方かも、しれない。



「次のホームに行く前に
1日でいい。
自分の家に、帰りたい。
自分の家で、眠りたい。」


そう訴える人に


「何我儘言っているんだ。
家に連れ帰るだけでも、金がいるんだぞ」


それぞれの事情
それぞれの気持ち


本当に
綺麗ごとじゃない。


ああ人は

みんな自分は
自分だけは

優しく家族に見守られて
暖かい言葉をかけられながら
穏やかに
旅立つのだと
思っているけれど。



周りで見守るしかできないんじゃないかと
唇をかむ
厳しい現実の中


結局は

「腹を括る」


介護人に必要なのは
介護人に求められるのは
そのことだけなんだと思う。


「腹を括る」


言い換えれば
問題から
その人間から
「逃げない」ってことだ。


わたくしは
父と向き合う日々の中
その大事な事を
先に
「腹を括った」人達によって
教えてもらった。


身体がきつくて
どうしようもなかった時も
涙が流れて
顔を上げられなかった時も


「あの時腹を括った
その生活から逃げないと決めた
貴方が
貴方が決めたんだったら
大丈夫。」


その言葉で、わたくしは
前に進めた。


「正解」なんて
どこにも、なかった。


なかったけれど。



そうして
父の最後を看取った後



「どれだけ
やっても

どれだけ頑張っても

後悔が残らざるを得ないのが
介護だけれど

その後悔が
一番少ない形になるように
頑張ってね。」





戦い抜いた
父の顔を見つめながら

そう最初に言われた言葉を

最初の言葉を
思い出したりしていた
タグ:国王 介護
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2017年05月01日

先入観は覆された

京都で「美女と野獣」を観た。

映画じゃなくて、舞台。

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京都劇場で劇団四季による舞台。

CGもなしに
これぞ「実写化」!!

なんだけれど、正直あまり期待はしていなかったのよ。

すみません。
間違っていた。

妙な先入観は持つべきじゃ、ないね。

少なくとも
あの舞台装置

あの役者さんの頑張りを
生で観る価値はあった。
ありました。

CIMG0684.JPG

しかし、どこにでもマニアというのは
潜んでいるもので

「日本語版とも歌詞、微妙に違ってたな」

とか終演後聞こえてきて、おののくわたくし。

ガストンがガストンのまんまだったこと。

ルミエールの「腰の線」。

ポット夫人の美声。

ベルの歩き方!!!

一見の価値あり!!!

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posted by tonnchikikazoo at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | エンターテイメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月27日

うまいっ!

今年はタケノコが不作なんだそうな。

京都のタケノコ専門店には
1本1万円超えのが並んでいたりして
毎年
「しょえ〜〜
誰が買うんだろう?」って思っていたけれど

しっかり買うお客さんは沢山いて
驚いているのは
わたくしだけだったっけ。

まあ
あんなに高いタケノコじゃないけれど
ご近所さんからおすそ分けしてもらったタケノコは
柔らかくて
美味しくて
季節の味
旬の味。

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皇太后の畑でとれた豆とタケノコとワカメの炊き合わせ。







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2017年04月14日

優しい味

寒くてストーブをつけたり
昼はちょっと汗ばむほどだったり。

気温の上下が激しくて
結構体にこたえる日々が続いております。

皇太后もこのところ
ちょっと調子を崩していて
病院連れて行ったり
点滴したり。

なんとか元気になってくれたのは
良かったのだけれども
食欲がイマイチ戻らない。

手を変え品を変え
わたくしなりに・・・なんだけれども

「悪いけど・・・御馳走さま」
って箸をおかれちゃって

うう〜〜どうしようかって
頭を悩ましていたら

友だちから包みが届いた。

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皇太后がちょうど庭に出ていたので
郵便やさんから受け取って

ちょっと明るい声で

「なんだろうね??」

開いてみたら

CIMG0547.JPG

あら!

「カステラだよ、皇太后!!」

「あら〜〜!!!!」

添加物一切不使用だって。
CIMG0550.JPG

「食べる?」

「食べる!」

あ、それじゃ、早速って
小鳥さんのお皿に。

CIMG0553.JPG

「美味しいねえ〜〜〜」

ほんっと、美味しい。
卵の、優しい味がする。

皇太后が食べてくれて
嬉しい。

わたくしが出来なかった事を
友だちが、やってくれた。

ありがたくてありがたくて
涙が出そう。

CIMG0555.JPG

カステラはもちろん、美味しい。
言うまでもなく、美味しい。

だけど、一番美味しかったのは
「気持ち」

ねえ、そうだよね、皇太后。




posted by tonnchikikazoo at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | がっつりおいしく | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月21日

お父さんとダンス

「今、娘と一緒にいるので
出てきませんか?」

と、弟嫁のお父さんから電話があったのは
弟が結婚する少し前のこと。


え?
なぜわたくしが??って思ったけれど

折角のお誘いだから、と
呼び出されたスナックに向かった。


そこはとても小さな店で

「お義姉さん、すみません」って言う弟嫁
(まだその頃は婚約者って訳だったけれども)の
顔もほんのり赤らんでいたりして。


弟嫁のお父さんは
大工で
がっしりした体つきの
いかにも「職人」って感じの人。


THE昭和の男。


わたくしは
なぜわたくしが呼び出されたのか
すぐにわかった。


お父さんは
娘が可愛くて
可愛くて
仕方がないんだった。


それで、どうも怪しい立ち位置のわたくしの
本当のところを
見極めようとされたのだと思う。


娘が嫁に行って妙な所で苦労しないように。


「よく、ここで飲むんですわ。
娘とも。」


そうなんですかって答えるわたくしの
何かに安心したのか
それとも
諦められたのか


「お義姉さん、踊りましょう!」


狭いスナックの中で
お父さんに手をとられて
いやはや・・・と思いながら
わたくしは、踊った。


やがて
弟達は結婚し、

娘2人が産まれて

お父さんは
病に倒れた。


「いやあ、手術も2回目になると
怖さもへったくれもありませんわ。

今の医学は進歩しとりますからねえ。」


4回目
5回目


一緒に病室で
同じ病気で戦った同士が
旅だってしまったと
寂しそうに話していた姿。


「でも、頑張らないと」


その頑張りは
自分だけのためのことではないこと。


可愛くて
可愛くて
仕方のない娘と
孫たちのため。


戦い抜いた
月日が過ぎていき


穏やかな顔をして
横たわるその姿を見た時


「哀しい」

よりも

「ご苦労様でした」

そんな気持ちになった。


貴方の可愛い
可愛い娘さんは
きっと、大丈夫。


貴方の可愛い
可愛い孫たちも
きっと、大丈夫。


これからも
大丈夫。


立派でした。


御苦労様でした。


見事に、生き抜かれたことを

「見事でした」

と声に出そう。


弟嫁の
お父さんの
旅立ち。



わたくしは
あの時のダンスを
思い出している。


お父さん
あの時の安心
あの時の諦めは

確かにまだ
わたくしの中にも、あります。


大丈夫

大丈夫ですよ。


空は高く
青い。


あちらとこちらを
繋ぐように。
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2017年03月10日

やっとやっと


皇太后の風邪が長引いている。

わたくしは心配で
往診を頼もうと言うのだけれど
嫌だと言う。

困った。

お願いだから
なんせ高齢なのだし
もし貴方に何かあったら
私が困るのよ

頼むよ

ってかき口説いて

やっと明日
病院で診てもらうことを
納得してくれた。

とにかく
咳が長引いて
声も変わっているので
早く治って欲しい。

「大げさだ」

って言うけどさ
だって
逆の立場だったら
どうする??

「・・・・」

ね〜〜〜
早く治そう。



明日は
病院だ。

頑張ろう。
タグ:皇太后
posted by tonnchikikazoo at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ぶつぶつ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする